なんで、唾液や綿棒で遺伝子情報がわかるの?
血液ではなく唾液でも簡単に遺伝子を調べられることから、新しい病気の予防法として身近な検査となりました。※MYCODEホームページより
当社にて採用している検査試料採取の方法はキットによって2種類ございます。ひとつは、専用の綿棒で頬の内側の粘膜をこすっていただく方法、もうひとつは、専用の採取具にだ液を採取していただく方法となります。いずれも痛みや出血を伴わない方法を採用しております。
※Genelifeホームページより
遺伝子検査の方法は、だ液や綿棒でこするなどの方法が一般的です。また、よくテレビ番組で犯罪捜査のために犯人から遺伝子情報を得るときに、タバコの吸い殻や飲んだ後のコップを採取する方法をみると思います。
でも、どうして唾液や綿棒でこするだけでDNAが取れるのでしょうか?解説したいと思います。
そもそもDNAってどこにあるの?
では、DNAはもともと、どこにあるのでしょうか?いろいろな人に話を聞くと、「カラダの中心にある」とか「脳みその中にある」とか、結構誤解している人が多いです。
DNAは実は細胞の中にあります。そこでまず、細胞とはどのようなものかを紹介します。
まずは細胞について知ろう!
細胞は、生物の基本単位(生物をバラバラにしたときに一番小さくできるもの)と言われています。
上の図は、細胞の構造をものすごく簡単に書いたものです。
細胞は、細胞膜と呼ばれる膜に包まれていて、その中に「核」と呼ばれるものがあります。この「核」がDNAになります。
細胞の大きさですが細胞の種類によって大きさに大分違いがありますが、大体0.01mm位です。細胞を100個並べると1mmになります。
なので、目で見ることはできません。
ちなみに、この話とは関係ありませんが、人間が目で見分けることができる大きさの限界が0.1mmと言われています。
iPhone 4のプレゼンテーションでジョブズが「網膜の限界をこえた」ディスプレイと紹介しているディスプレイの解像度がおおよそ0.1mmです。
ジョブスのキャッチコピーのセンスはすごいと感心してしまいます。
話がずれてすいません。細胞の話に戻します。この目に見えない大きさの細胞ですが、どこにあるのでしょうか?
実は、細胞は全身にあります。
同じ細胞なのですが、骨なら骨の機能に特化した、「骨細胞」、脳みそなら脳の機能に特化した「脳細胞」、皮膚なら皮膚の機能に特化した「皮膚細胞」のように、
私たちの体は、それぞれの機能に特化した細胞によってできています。
そして、重要なことは、細胞はどんなに特化した細胞であっても、ほとんどが細胞の中に同じ核(DNA)を持っています。
つまり、人間はほぼ全身細胞でできていて、どの細胞も同じ核(DNA)を持っているわけです。
人間は37兆個とも60兆個ともいわれる細胞で構成されているとされています。
ですから、1人の人間で37兆個から60兆個の核(DNA)があるのです。
わかりやすく言えば、「全身DNAの塊」です。
全身DNAなら、細胞が取れればDNAが取れる!
ここまで来ればおわかり頂けると思います。人間は全身DNAのかたまりみたいなものです。
綿棒でこすれば、ホホの裏にある細胞が少し取れます。ヨダレにもぽろぽろと落ちた細胞が混じっています。
このようにしてDNAが採取できるのです。
DNAとか核とか染色体ってなんだ?
DNAとか、染色体とか核とか聞いたことがあると思いますが、これらの違いは何でしょうか?
DNAは上の図のようにらせん状になったひものようなものです。このDNAが、非常に密度が濃く折りたたまったものが、染色体や核といわれるものになります。
染色体は、細胞が細胞分裂といって細胞が2つに割れて増えるときがあります。その時に核がほどけて、染色体という状態になります。
この染色体は、核の状態よりも遺伝子の状態がマッピングしやすいためによく使われます。
とりあえずは、DNAも染色体も、核も同じものとおぼえておいて大丈夫です。
あと、遺伝子ということばですが、この遺伝子はDNAのまとまりで、DNAが1まとまりで1つのたんぱく質を作ります。この1まとまりを遺伝子といいます。