遺伝子ってなに?基本を理解しましょう
遺伝子はみなさんの体の中にある設計図のようなものです。これは、一生変わることはありません。
その設計図にはさまざまな情報が含まれています。
さらに、みなさんの持っている遺伝子(設計図)の半分が子供へと受け継がれるのです。
髪の毛が天然パーマであったり、血液型がB型でようなことは、遺伝によるものです。
あなたが、女性であったり男性であることも遺伝です。
これは、どんなに努力をしてもかわることはありません。
一方で、みなさんは生まれてきてからいろいろな経験をしたと思います。例えば陸上部に入部してマラソンに専念したとか、美術部に入って絵をいっぱい描いたなどです。
もし、あなたが何もしなければ、長い距離をはしったり、絵を書けたりはできないはずです。こういったことを「獲得形質」といいます。
これは、あなたが努力によって身に付けた財産です。しかし、この獲得形質は子供に遺伝することはありません。
あなたの子供がフルマラソンを走れるようになったり、絵を上手に描けるようになるためには、それなりの努力をしなければならないのです。
遺伝子検査キットで調ることができるのは、あなたの遺伝子(設計図)にあたる部分です。
あなたが生まれてから身に付けた能力は調べることはできません。
遺伝子検査キットは何を調べるの?
遺伝子検査キットはあなたの遺伝子の「型」を調べます
遺伝子は、みなさんの設計図の部品がコードされている場所を言います。その遺伝子の型は何種類かある場合があります。
例えば、β3-アドレナリン受容体遺伝子というものがあります。
「β3-アドレナリン受容体遺伝子」と聞くとすごく難しい感じがしますが、すごく簡単にいうと「体の脂肪をとりだしてエネルギーに変える」部品を作る遺伝子です。つまり、「β3-アドレナリン受容体遺伝子」はやせやすい、やせにくいを決める遺伝子です。
「β3-アドレナリン受容体遺伝子」にはいくつかの型があることが知られています。その型の違いによって1日に必要とするカロリーの量が200kcal違うと言われています。200kcalはウォーキングで言うと40〜50分くらい、おにぎり1個分くらいです。
1日に必要とするカロリーが少ないと、太りやすくなります。逆に、1日に必要とするカロリーが多いと痩せやすい体質です。
遺伝子の種類によって、「やせやすい人」と「やせにくい人」が決まっています。
遺伝子検査キットを使ってこの「型」をしらることで、あなたが、「やせやすい体質」か「やせにくい体質」かを知ることができます。
もし、太りやすい体質の場合は、1日あたりの摂取カロリーを減らしたり、運動をしたりして、カロリーを消費する必要があります。
遺伝子検査キットの注意点
あなたが、遺伝子検査をうけて、「がんになりやすい」とでても必ずしも「がんになっている」わけではありません。
あくまでもわかるのは、あなたの体の設計図です。あなたの体の設計図をみて、
「他の人より太りやすい体質だから気を付けなければいけないな」とか
「知的好奇心が強いから、今後に生かそう」などと活用することが主な目的です。
遺伝子検査キットで調べられることは
遺伝子検査キットで調べられる項目は、多いものでは300項目をこえます。
主だったものを挙げると次のようなものです。
疾病系・体質系
がん、消化器、泌尿器、循環器などの体の各部位での病気のなりやすさや体格や代謝、食習慣などの体質を調べたい
自己分析系
アルコール依存性や喫煙量、調和性、記憶力、ストレスなど性格や才能を分析するもの
ルーツを探る
あなたの母方または父方の祖先がどのような人たちかがわかる。
まだまだいろいろありますが、これらが主なものです。